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2004年05月26日

煤煙がDNAを損傷する、これが遺伝する、をマウスで証明

工場の煙突から出る煤煙(すす)が、マウスのDNAを傷つけ、それがその子孫にも遺伝することを、カナダの研究者が突き止め、5月13日、雑誌「サイエンス」(Science)で報告した。

報告したのは、マクマスタ-大学(加オンタリオ州)の生物学者、ジェ-ムズ・クイン博士らで、2つのグル-プに分けたマウスを、製鉄所近くで飼育した。一つのグル-プは外の空気をそのまま吸わせ、もう一つのグル-プは、高性能の空気フィルタ-を備えた箱の中で育てた。こうして、10週間後、両グル-プのマウスの特定のDNAの損傷程度を調べた。そして、そのマウスの子どものDNAも調べた。その結果、損傷を受けたDNAがそのまま子どもにも受け継がれていた割合は、フィルタ-付きの箱のマウスでの方が、外の空気をそのまま吸わせたマウスより、52%小さかった。

これについて、研究者たちは、工場から排出される煤煙によって、DNAが傷つけられ、それが後の世代にも遺伝することがわかったが、同時に、煤煙を排除してやれば、その影響を小さくすることができる、と話している。ここで調べられたDNAは、病気を引き起こすなど健康被害と直接関係ない遺伝子だが、今後さらに研究を重ねれば、ぜんそく、心臓病など大気汚染と関連が深い病気の遺伝子についても、汚染との関係がわかるだろう、と見られている。

クイン博士は、「われわれの研究で一番価値があるメッセ-ジは、フィルタ-を付ければ、大気汚染による健康被害を最小限に食い止めることができる、と言うことがわかったということだろう」と述べている。