2004年04月01日
FDA(米食品医薬品局)は、3月26日、口の中の歯ぐきの細胞から、エイズの病原体であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の有無を、その場で、短時間で判定できる新しいエイズ検査法を承認した。
「オ-ラルテスト」(oraltest)(口中検査法)と呼ばれるこの検査法は、「オラシュア・テクノロジ-ズ社」(OraSureTechnologiesInc)が開発した。
FDA承認の報に、同社の株は、この新検査法の普及を期待して即日19%跳ね上がった。
オ-ラルテストは、特殊な処理をした綿棒で、歯ぐきこするようにして細胞を採取し、これを検査装置に入れると、20分ほどで、もし、陽性なら赤紫色の線が表示される。正確度は99%と言われる。
陽性と判定されたら、さらに詳しい検査を経て、エイズ感染が確認される。
オラシュア社は、以前に、指先から採取した血液を検査する方式の「HIVスピ-ド検査法」を開発し、2002年11月FDAの承認を得て、これが現在アメリカだけでなく、世界で広く使われている。
血液検査の方も、やはり20分程度で結果が分かる、と言う画期的な検査法で、これに今度承認されたオ-ラルテストが加わった形となった。
同社では、いわば姉妹製品の両検査法を合わせて「オラクイック」(OraQuick)と呼んでいる。オラクイックのおかげで、いま、エイズ検査件数は、以前より、劇的に増えている。
オラクイックが登場する前までは、エイズ検査というと、結果がわかるまでの2週間ほどかかっていた。そのために、検査は受けたが、結果を知らない、あるいは知ろうとしない人が多く、困った問題として関係者の悩みだった。
アメリカでは、HIV感染者が85万人ないし、95万人いると推定されているが、このうち、4分の1は、自分が感染者であることを知らないと、CDC(米疾病管理予防センタ-)では見ている。その一因が、検査の結果を聞かない人がいるため、と言われている。年間少なくとも、8,000人のHIV陽性者が検査結果を聞いていない、とCDCでは言っている。
検査結果がその場でわかるオラシュア社のスピ-ド検査法が導入された2003年以降、こうした問題は解消した。
それに今度のオ-ラルテストが加わったことで、エイズ検査体制がさらに拡充する、と期待されている。