2004年02月04日
妊娠中に、栄養のバランスがいい食事を食べた母親から生まれた子どもは寿命が長くなることが、マウスでの実験でわかった。
これは、イギリスのケンブリッジ大学で行われた研究で、国際科学誌「ネ-チャ-」1月29日号で報告された。
それによると、研究者たちは、妊娠したマウスを、たんぱく質が十分入ったバランスのいいえさを与えたグル-プ、たんぱく質が少ない粗末なえさを与えたグル-プ、標準なえさを与えたグル-プ、の3つのグル-プに分けて実験す進めた。
その結果、標準的なえさのマウスの子どもは平均して2年生きたが、バランスのいい栄養の母親から生まれたマウスは、それより平均2ヵ月長生きした。
逆に、栄養の悪いえさの母親から生まれたマウスは平均1年半しか生きなかった。つまり、標準的なえさの母親の子どもより、寿命が6ヵ月短かった。
さらに、研究者たちは、生後21目にマウスを離乳させ、その後、「高カロリ-・高砂糖」のえさを与えてみた。このえさは、人間で言えば、簡単に肥満になるような食事だった。
その結果、この「肥満食」の親から生まれたマウスはわずか1年しか生きなかった。つまり、標準的なマウスの半分しか生きなかった。
ところが、栄養のバランスのいいえさを与えられた母親から生まれたマウスでは、「肥満食」を与えられても、その影響はほとんどなかったという。
これらの実験結果から、研究者たちは、胎児が子宮内で母親からもらった栄養のバランスの善し悪しで、成長したあとの発育に大きく影響があり、寿命に関係してくる、と結論づけた。
もちろん、マウスでの実験結果が、直接、人間に当てはまるわけではない。
が、研究者たちは、これまでに報告されたある研究結果と関連づけて、妊娠中の栄養の重要性を強調している。
この研究は、イギリスのサウサンプトン大学のデ-ビッド・ベ-カ-が1980年代に発表したもので、「低体重児は、大人になってから、心臓・循環器系の病気と高血圧にかかりやすい」ことを示して、子宮内の胎児が栄養不良状態になると、その子どもは、生まれた後々までも、健康上の問題が残る」というもの。
この研究と関連づけて、ケンブリッジ大学の研究者たちは、「胎児のころに必要な栄養がもらえないと、例えば、じん臓など内蔵の発達に支障を来し、その欠陥が、大人になるとともに、少しずつ拡大して、命を縮める結果を招く」と言っている。