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2004年02月06日

アルコール依存症の遺伝子発見

アルコ-ル依存症の遺伝子が見つかった。
この病気は、かつては、アルコ-ル中毒と言っていた。アル中になりやすい性質は、家系のなかに遺伝的な素因がある、と言われていたが、それが確認されたのだ。
この研究は、米連邦政府ミズ-リ州セントルイスにあるワシントン大学医学部の精神医学教授、ダニエル・ディック博士(女性)らが行ったもので、学術雑誌「アルコ-ル依存症:臨床と実験研究」(Alcoholism:Clinical and Experimental Research )最新号で報告した。
それによると、アルコ-ル依存症の原因は、脳の働きが過剰に興奮する状態にあるためで、アルコ-ルを摂取すると、その状態を一時的にも正常化するのだという。
このため、アルコ-ル依存症患者は、常にアルコ-ルを欲しがり、過度に飲酒をし、酒なしではおれなくなる、という。
こうしたアルコ-ル依存症の脳内の回路には、ある物質が関与していることが、以前に報告された研究でわかっている。
それは、ガンマアミノ酪酸(gamma-aminobutyric acid =GABA)と呼ばれる物質で、ディック博士の説明によると、酩酊すると歩行がふらついたり、気がかりなことが消えて気が大きくなったり、眠気が襲ったり、することにもGABAが関係している、という。さらに、アルコ-ル依存症の患者が禁断症状を起こしたり、際限なくアルコ-ルを欲しがるこのも、GABAのせいである、と言われている。
この脳内物質とつながりのある遺伝子はいくつか知られている。しかし、そのうちのどれがアルコ-ル依存症に関係しているのか、これまではっきりしなかった。
そこで、ディック博士は、3親等までの内にアルコ-ル依存症が少なくとも1人はいる262の家系の2,282人を調べた。
全員について、GABA遺伝子を調べたところ、アルコ-ル依存症と直接関係しているのは、GABA遺伝子のなかでも、「GABAG3」と呼ばれる遺伝子であることを突き止めた。
また、同じ家族、あるいは、家系のなかでも、アルコ-ル依存やアルコ-ル乱用の度合いが一段と強い人は、「GABAG3」遺伝子の数が多いこともわかった、という。
これによって、アルコ-ル依存症になる素質は、明らかに遺伝的要因によって決められていることがはっきりした、と研究者たちは言っている。
つまり、遺伝子を調べれば、アルコ-ル依存症になる素因があるかどうかがわかるのである。
しかし、アルコ-ル依存症の遺伝子があるからといって、その人が必ずアルコ-ル依存症になるわけでない、とディック博士は注意している。
「精神的異常というのは、遺伝的素因と環境との相互作用の結果発現する。だれでも、アルコ-ル依存症になる遺伝子をもつ可能性はあるが、もしその人が、アルコ-ルを飲まなかったら、依存症にはならない」と同博士は説明している。